企画

10月17日の話。ずっと雨の続いた週の日曜日。すこし肌寒いけど晴れた日曜日。立川というコンクリートサバンナはバッファローでいっぱいだった。そのバッファローが突然暴れ出したのだ!バッファローはその力で暴虐の限りを尽くしていた。バッファローを止めるべくハンター達が立ち上がった!

  • 熾烈な闘い

バッファローとハンターの闘いは熾烈を極めた。バッファローはわが子を守るために母バッファローは倒れるわけにいかない。それはハンターも同じ。ハンターが「アレをつかうしかない」と最後の手段に出た。
決着は着いた。最後に立っていたのはハンターだった。しかしハンターの足元には哀しみにくれる母バッファローが倒れていた。息も絶え絶えの母に子が駆け寄る。ヒロ「おかーん!」母「今まで黙っていたけど、お前のお父さんは市役所に勤務しているのよ。グヘッ」と母は倒れた。ハンターは母バッファローを殺したことを悔やんだがどうすることもできないのでヒロを保健所まで連れていくことにした。

  • 保健所

保健所に着いたヒロとハンター。彼らを待ち受けていたのは意地の悪い保健所員だった。保健所員はヒロを強引に連れていった。そして保健所員は信じられないことを口にした。保健所員「お前のせいでお母さんは死んだのだ。なのにお前は生き残るつもりか?全くお前は卑しい奴じゃ。お前みたいのは牛じゃない。豚だ、この豚」ハンター「こいつは豚じゃない。バッファローだ!」ハンターが保健所員を止めた。保健所員「なんだと、ハンターの分際でオレ様に刃向かうつもりかい?」ハンター「もうたくさんだ!やめてくれ。ヒロに近づくな」ハンター「なんだと。じゃあこいつはどうするんだい?」ハンター「俺が引き取る」保健所員「この子の親を殺しといてかい?」「俺が親になる。俺がヒロの親になる」

ハンター「といったももの、これからどうすかなぁ」行く当てがないハンターとヒロ。そのときヒロには母の声が聞こえた。
回想
母「ヒロ、今まで黙っていたけど、お前のお兄さんが立川高校にいるのよ。」ヒロ「ワイを一人にせんといてー。おかーん!」

ヒロ「お兄さんが何か知ってるかもしれない。」ヒロとハンターは立川高校へと向かった。その先に、絶望がまっているとは知らずに。

続く。続きはまた明日。

続き。
立川高校に到着したヒロはいろんなバッファローに兄のことを聞いてまわった。しかし成果はない。謎オスバッファロー「おいおい。お前、人にもの尋ねておいてタダで帰ろうってのかよ」ヒロ「そんな」謎のオスバッファロー「ちょっとツラ貸せよ。サンクローバー行くぞ。」ヒロ「こえ。サンクローバー?でもそっちにはおかんが行くなって」謎のオスバッファロー「いいから来い」謎のオスバッファローにこづかれ、渋々ついていくヒロであった。
サンクローバーはもう目の前だが魔の横断歩道待ち受けていた。これを渡らないとサンクローバーには行けない。渡るにはヒロと謎のオスバッファローと一緒に置いていったり残してハンターだけ渡ることはできない。ヒロがいじめられてしまうからだ。横断歩道を行ったり来たり、行ったり来たり、行ったり来たり、信号が赤に変わってしまうギリギリで渡るときもあった。そしてなんとか横断歩道を渡ることができた。サンクローバーは目の前だ。
サンクローバーにて
小さなスーパーのサンクローバーに着いたヒロと謎のオスバッファローとハンター達。謎のオスバッファローはサンクローバーのニオイがなぜか懐かしい感じがして好きだったのである。一人のハンターが中に入ろうとしたがサンクローバーは休日で閉まっている。ヒロはサンクローバーのシャッターの間からニオイを嗅いだ。ヒロ「クンクンクン。あ、これ、おかんや。おかんとちゃうか。これ肉と違う、わいのおかんや。あれ、でもこっちの肉はおかんとちゃうなぁ。クンクンクン。これもしかして由美子おばちゃんの肉とちゃうか。ほな、そしたらこっちはワタルおじさんやないか。こっちは下高井戸のおじさんや。おとんももしかしてこの中に」
回想
母「ヒロ、今まで黙っていたけど、お前のお父さんはコピーのインクくさいのよ。グヘッ」
と、ヒロは思い出した。ヒロ「インクかぁ。どれどれ、クンクンクン、あれインクのニオイせぇへん。インクのニオイせぇへんぞ。わいのおとんは生きてるんや。市役所に勤務してるんや!」
ヒロは父を求め、市役所に向かったんや。そうや、向かうんや。向かわなアカン。がんばれ!ヒロ。

  • 市役所に行く途中

急に座り込むヒロ。ハンター「ヒロ、どうした?」ヒロ「痛い、破裂しそうや。どうにかなってしまいそうや。わい、死んでしまうのかなぁ」ハンター「バカなこというな。近くに立川病院があるからそこで診てもらおう」

  • 立川病院

ハンター「ほら、ヒロ、病院だ。着いたぞヒロ」ヒロ「あかーん。もう限界や。」ハンター「誰かいますか」医者「どうかしました?」ハンター「ヒロを、ヒロを助けてください」医者「これは。すぐに手術の準備を」ハンター「助かりますか?」医者「助かりますよ。ちゃんと産まれればね」ハンター「えー」
医者「さぁ足が見えてきましたよ。一緒に引っ張って。」オーエス!オーエス!みんなで引っ張りだす。産まれる。赤ん坊バッファローが立つまでみんなで応援。立っても「泣いてない」赤ん坊バッファローを叩く。赤ん坊バッファロー「ぷー」医者「おめでとうございます。元気なバッファローですよ」その時、今まで黙っていた謎のバッファローが久しぶりに口を開いた。そしてヒロ達は衝撃の事実を知らされる。謎のオスバッファロー「ヒロ、お前、女だったのか?じゃあもしかして。ちょっとお前、お母さんのツノの形やってみろ」ヒロは母バッファローと同じツノの形になっていた。
謎のオスバッファロー「ヒロ、俺はお前の兄貴だよ。お前は、お前は俺の妹なんだよ。」ヒロ「おにいちゃーん!」兄「ヒロ、お前にはまだやり残したことがある。子供は俺が見てる。だから、お前は市役所に行け。」ヒロ「わかった。ありがとう。お兄ちゃん」
ヒロは父がいるであろう市役所へと急いだ。

  • 市役所にて

ヒロ「すいません」
受付「はい」
ヒロ「お父さんを探しているんです。橋田っていうんです」
受付「あ、橋田さんね。ちょっと待ってて。」
回想
母「ヒロ、今まで黙っていたけど、お前のお父さんのツノの形は、とてもたくましそうに見えるのよ。グヘッ」
とヒロは思い出した。父「はい。私が橋田ですが」
ヒロの目に飛び込んできたのはたくましいツノではなく、胸元の赤いヒラヒラだった。ヒロは興奮し、本能の赴くまま赤いヒラヒラめがけて飛び込んだ。ブスッ!父バッファローの体にヒロのツノが刺さる。父の体からしたたり落ちる赤い血は、コピーのインクのニオイがした。崩れ落ちる父。ヒロ「このニオイ。おとーん!」
父「ヒロ、今まで黙っていたけど、お前は本当は人間だったのだよ。」驚くヒロ。そしてヒロの後ろ足が動きだし、ヒロに「そうだよ」、父の後ろ足までシーツを脱いで「そうだよ」「ほら、ほかのみんなもそうだよな」「俺達はバッファローじゃない、人間なんだ!」とシーツを脱ぎ捨てた。所詮、一人の人が腕でバッファローのツノを作り前に立ち、後ろの人が前の人の肩に手を置き屈み、二人でシーツを被っていたに過ぎなかったのだ。最後には〓熊の子みたいなかくれんぼ〜
〓お尻を出した子一等賞〜
〓夕焼けこ焼けでまた明日ま〜たあした〜
〓いいなぁいいなぁ人間っていいなぁ
〓おいしいごはんにぽかぽかお風呂〜
〓あったかい布団で眠るんだろな
〓僕も帰ろ おうちへ帰ろ でんでんでんぐり返しで バイバイバイ
と熱唱。バッファローをリスペクトしつつ人間ていいなぁと人間を歌った!人間は果たしてバッファローなのか?バッファローではないのか?あなたの答えはでましたか?