第1話

tarohito2006-09-09


土手で側転の心得を学んだタロヒトです。アゴをハンハン叩いている中年を見ました。パンパンではなくハンハンと叩いております。
さっ、昔話の時間ですよー!よい子のみんな集まれぃ。虚ろな目をしたよい子のみんな!
昔、昔あるところにおじいちゃんとおじいさんがいました。おじいちゃんは畑を耕し、おじいさんは村を牛耳るため村長選挙に立候補しました。
立候補とは選挙に出ることで村民に村の長にふさわしいかを判断してもらうことです。おじいちゃんが畑を耕しているといつもは穫れないはずの野菜が収穫されました。
「種など植えていないはずなのになぜだろう」
とつぶやくと、
「私が植えたのだよ」とおじいさん。
「何故に」とおじいちゃん。
「牛耳るんだよ」とおじいさんは言いました。
「あんた、そこまでして。そこまでして。そこまでだ!」とおじいちゃんは力むとおじいさんの胸元をダイヤで飾りました。
「何故に?」とおじいさんはすかさず返すと
「野菜穫りたいんだよ」とおじいちゃん。
「あんた、そこまでして。いいのかい?3カラットだぜ?やはり受け取れんよ。私は牛耳るからな」
「こうなったら押し問答だ!」と押し問答が続きました。
押し問答から水掛け論になってしまい結論は二人とも営業マンとして第一線で活躍していたという経歴がわかりました。わかるというのは理解するということです。
二人はなぜ息を切らせるまでに白熱した口論をしたかを考えました。頭をかしげる二人の後ろに
一人の初老が立っていて二人の肩を立って叩きました。おじいさんでした。おじいさんは二人に
「俺はお前で、お前は俺で、お前は何日か後の俺だ。」
おじいちゃんは驚きました。後ろいたのはおじいさんに瓜二つのおじいさんでした。そして、前向くとおじいさん。後ろを向いてもおじいさん。おじいちゃんは訳がわからなくなり、真夜中の国道をかっとばしました。18番の15の夜を口ずさみながら。
そして夜が明けるとおじいさんは村を牛耳ることに成功し、おじいちゃんの畑では毎日野菜が穫れるようになりました。
そしてある朝おじいちゃんが目を覚まし、鏡を見ると顔にニキビが3つ出来てしまい、青春はまだ終わってはいないんだと気づいて縄を買い物メモに加えたのでした。
おしまい。