拾った帽子の行方

道を歩いていたら、オレンジ色のごみ箱の上にニューヨークヤンキースのキャップが置いてありました。僕は、ごみ箱が被っていた帽子を脱がし、自転車の籠に入れた。家に持って帰って、鍋で茹でた。汚れも臭いも取れて、なおかつ消毒されるだろう。湯を沸かし、沸騰させ、そこに帽子をいれて、箸で押し込んだ。鍋の中は、帽子から出る汚れで、茶色に濁った。そして、強烈なおっさん臭、加齢臭、ヤニの臭い、汗の臭い、ほこりの臭い、友達の家の臭い、おじさんの首の後ろの臭いなどがキッチンに充満した。みつるみちる。やめときゃ良かった。シンクにお湯を捨て、キャップを冷水で冷やし、キャップの水気を取り、ドライヤーで乾かした。うん、臭いはとれてる。さてさて被ってみたら、こう!!


一人で、笑ってしまった。被った帽子を脱いだ、そこには、きつい帽子を被った頭に残る締め付け感と茹でても取れなかったおっさんの臭いがありました。