将来のわすれもの

便所で幽霊を見た。小説や映画に出てくるような人型の青白く目にくまがあるような幽霊ではなく、便器を超高温で溶かしてニ、三日冷ました様な塊。一瞬そう見えて、次の一瞬には消えていた。便所の照明暗く、誰もいなかったので幽霊とも、見間違えとも言える。近頃、その様な一瞬見えて、見直すと消えている存在に よく出くわすようになった。きっかけはわからない。将来に迷うようになってからか、笑わないようになってからか。他人には見えないものが見えるようになったらどう説明したらいいのだろうか。説明できないようなものが見えていたなら今、見えてると教えてあげるといいのだろうか。説明できないなら絵で書くしかないだろう。眠い、寝床に入って寝る。眠る眠る。朝だけど。